AWS東京リージョンのAZ間レイテンシー

AWS

AWS東京リージョン(ap-northeast-1)には、3つの稼働中のAZ(データセンタークラスター)が存在している。バックアップ用のサイトを含めると4個AZが存在すると思われる。

それでは、3つの稼働中AZ(データセンターのクラスター)について紹介していきたい。

東京リージョンの拠点「AZの場所」

1.千葉県印西市のデータセンター

千葉県白井市「千葉ニュータウン中央駅」というやや辺鄙な所にデータセンターが複数林立している。この一帯は地盤も固く地震に強く地価も安いので、データセンターとしては最適な場所だ。栃木県の小山市も同じ理由で、DCが多いらしい。

千葉ニュータウン中央駅は年配のSEなら誰しも一度は訪れたことのあるはずだ。駅から巡回バスが出て各データセンターを廻っているが、これらの施設のどこかをAWSが使用している。(誰も公表することは出来ないが、中で働く人なら知っている。)

ap-northeast-1のAZは、a,c,dが正常稼働しているので、千葉中央のDCもこのいずれかに該当するはずである。AZ-bもDRバックアップor検証用に準備されているに違いない。東京リージョンは稼ぎ頭の地域なので、いざと言う時の為に備えられているはず!

2.東京23区内の堅牢なDC群

山の手の地盤の強い堅牢なDCは、旧電電公社が所有していた流れで、NTTグループが確保している。個人的にはあそこのビルか?と思い当たるDCはあるが、比較的頑丈で広い床面積を幾つか確保して、50Gbps以上の専用線で繋がれているはずだ。品川区にも拠点があると小耳に挟んだことがあるので、ざっくり20km半径内のDCを束ねてAZが組まれているはずだ。AZ内のDC間のレイテンシーは

20km/30万km(光速)/sec = 0.000007secなので、セッションが張りっぱなしだとすれば、0.1msec未満だと推測される。

3.多摩センターの某DC

多摩丘陵も地盤が安定化しており、金融機関系のDCが多い拠点である。多摩地区は面積が広いので1-2か所以上の巨大なDCが確保されているはずだ。AZ間の距離を知りたいだけなので、多摩センター近郊(東京多摩市)と一旦仮定しておく

AZ間のレイテンシー(東京リージョン)

各AZ間の距離とレイテンシー(理論値、経験値)はざっと以下の通りだ。

AZペア距離レイテンシ(理論)レイテンシ(経験)
大手町⇔千葉63km0.21msec1~2msec
大手町⇔多摩42km0.13msec0.7~2.5msec
多摩⇔千葉100km0.33msec1.5~3msec
googlemapで適当に計算しただけなので、参考値です。

一般的にAZ間のレイテンシは2~3msecと言われているので、凡そは合っているのだろう。ソケット通信みたいにセッションが張り続けられるのなら理論値0.xmsecの遅延に抑えることができそうだ。

経費削減の為に、NAT-GWを、複数AZで1個に集約しているシステムも良く見かけるが、2-3msecの遅延が問題のないシステムであれば、経済的・性能的な妥当性は充分にある。AWS的にはAZ毎にNAT-GWを配置することを推奨しているが、AZ障害時(ほぼない)の影響を考慮してもあえて別個に配置する必要性は個人的には感じない。それほどにレイテンシを重視するサービスならエッジロケーション(CDN)を配置すべきだろう。。privateな、ec2がインターネットにアクセスする用途次第だが、2-3msecの遅れがサービス品質に影響するような(FX/東証flex等高速金融取引)等のサービスであれば、AZ毎にNAT/GWを配置しても良いと思われる。うーーん。サービス要件次第だね。CTOが決める話だが、大規模システムならAZ毎にNAT/GW配置しておくのが無難だし、中小規模で予算を抑えたいシステムなら1AZにNATを集約するのが私的にはお勧めだ。

良く見落としがちだが、NATを置けば何でもインターネットにデータを流してしまいがちだが、VPCエンドポイント(PrivateLink)を使ってAWS内のみでデータを流通するとAWSからのアウトバウンドデータ通信料をかなり抑えられるので、真面目なエンジニアは極力VPCエンドポイントを使って欲しい。あんまりエンドポイント化されていないサービスを見かけるので、構築時に特急で作ってしまったんだなぁと少し同情してしまう。AWSが出来てからというもの、インフラエンジニアの構築スケジュールが大幅に圧縮されているのは、世の中的には正しいのだが、、中のインフラエンジニアがこのような事(納期・費用・耐障害性)まで死ぬほど考えて提案書(5人日x5万=25万円)を作っていることを偉い人は知らない。だがパワポの見栄えがよいと、アンチパターンな提案書が以外に通ってしまうので、令和の時代のSEも気は抜けないのだ。。(後7年で定年ではあるが)

それでは良いエンジニアライフを(^^)/

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