歴史小説「小江戸のお栄」

歴史小説「小江戸のお栄」

小説「小江戸のお栄 第四話」辰治との別離

お栄が産まれた深川の長屋から、清澄白河の新しい仕事場に引っ越す前の夜、 辰治(北斎の弟子)にコッソリ呼び出された。 「お栄さん。あっしは、先生の所を離れて、神田近くの別の先生の所に移ることになりやした。この仕事箱は買い替えます...
歴史小説「小江戸のお栄」

小説「小江戸のお栄 第三話」おとみちゃん

看板騒動の一件で、北斎は、勝川派を破門され、独立を余儀なくされた。 「破門されてむしろ清々した。これからは好きにやらせて貰うぜ。」 と北斎は言い放ち、勝川春朗の名前を捨て独立した。すぐさま、狩野派や中国南蘋派の勉強に夢中になっ...
歴史小説「小江戸のお栄」

小説「小江戸のお栄」第二話 看板騒動

お栄は、病気することもなく、紙くずで散らかる北斎の長屋で、すくすくと育った。 紙くずの山に、顔を突っ込んだり、絵皿に残った色鮮やかな顔料をこねくり回したりして遊んでいた。 印刷屋に納める大事な絵を汚さないよう、北斎は見...
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小説「小江戸のお栄」第一話 小江戸の鼓動

江戸庶民の文化が繁栄した寛政の初め(1786年)十代将軍「徳川家治」が49歳で死去した。これに伴い、家治を支え権勢を振るっていた老中「田沼意次」が失脚した。 後を継いだ「松平定信」は質素倹約を美徳とし、江戸庶民が贅沢をすることを良し...
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小説「小江戸のお栄 第五話」森下の仕事部屋

 北斎が新たに弟子を募集を開始した初日、朝餉を済ませたお栄は森下近くの長屋の玄関近くに「でーん」と紙を広げて、朝早く(6時頃)まだ薄暗いなか絵の練習に励んでいた。 江戸百景「森下」 北斎は前日の深酒が過ぎ、二日酔いのため、仕事...
日本史

葛飾北斎の師匠「勝川春章」と「勝川春好」

葛飾北斎は10代で画家を目指し、18歳で勝川春章の門を叩きます。目の肥えた北斎が選んだだけのことはあり、当時は歌川派より人気のある江戸随一の流派でした。腕が認められ、19歳でデビュー作を出すことができました。 勝川派は宮川春水が創立...
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